日本政策投資銀行の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
日本政策投資銀行は株式を公開していません。それでも有価証券報告書を毎年提出しています。金融商品取引法第24条第1項にもとづく提出で、第18期(2026年3月期)には平均年間給与11,840千円、平均年齢36.8歳、平均勤続年数13.1年が記載されています。この記事では、その開示から待遇と事業の状態を整理します。
非上場でも有価証券報告書を提出している
まず前提を確認します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社日本政策投資銀行(Development Bank of Japan Inc.) |
| 上場区分 | 非上場 |
| 根拠法 | 株式会社日本政策投資銀行法 |
| 有価証券報告書 | 金融商品取引法第24条第1項にもとづき提出(第18期は2026年6月26日提出) |
| 本店所在地 | 東京都千代田区大手町一丁目9番6号 |
| 資本金 | 1,000,424百万円 |
| 発行済株式総数 | 43,632千株 |
| 決算期 | 3月 |
有価証券報告書の「株式の保有状況」欄には、当行は非上場会社であるため記載すべき事項はない、と書かれています。上場していないことは明記されているのに、有価証券報告書そのものは提出されている、という構成です。
沿革も記載されています。1951年4月に日本開発銀行が設立され、1999年10月に日本開発銀行と北海道東北開発公庫の権利義務を承継して日本政策投資銀行が設立、2008年10月1日に株式会社日本政策投資銀行法にもとづき現在の株式会社が設立されました(設立時の資本金1兆円)。その後、株主割当増資や交付国債の償還による増資を経て、現在の資本金に至っています。
総資産21兆円、当期純利益は5期で約2.53倍
連結の業績です。
| 回次 | 決算年月 | 連結経常収益 | 連結経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 連結総資産額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第14期 | 2022年3月 | 310,349百万円 | 86,134百万円 | 57,612百万円 | 21,508,591百万円 |
| 第15期 | 2023年3月 | 374,584百万円 | 135,387百万円 | 92,775百万円 | 21,482,420百万円 |
| 第16期 | 2024年3月 | 410,882百万円 | 147,844百万円 | 103,205百万円 | 21,698,605百万円 |
| 第17期 | 2025年3月 | 392,086百万円 | 113,380百万円 | 83,752百万円 | 21,549,329百万円 |
| 第18期 | 2026年3月 | 501,728百万円 | 202,495百万円 | 149,619百万円 | 21,372,723百万円 |
第17期にいったん落ち込んだあと、第18期は連結経常収益が501,728百万円(前期比28.0%増)、連結経常利益が202,495百万円(同78.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が149,619百万円(同78.6%増)と大きく伸びました。第14期の57,612百万円と比べると約2.60倍です。
自己資本比率は17.74%から20.19%へ、連結自己資本利益率は1.54%から3.54%へ推移しています。
当行単体の指標も開示されています。
| 項目 | 第18期(2026年3月期) |
|---|---|
| 経常収益 | 463,809百万円 |
| 経常利益 | 197,894百万円 |
| 当期純利益 | 143,811百万円 |
| 純資産額 | 4,211,505百万円 |
| 総資産額 | 21,038,493百万円 |
| 貸出金残高 | 14,721,611百万円 |
| 有価証券残高 | 3,654,896百万円 |
| 自己資本比率 | 20.02% |
| 配当性向 | 24.99% |
総資産21兆円のうち、貸出金が14兆7,216億円、有価証券が3兆6,548億円という構成です。預金残高の欄は5期とも記載がありません。市中の商業銀行とは資金の集め方が違う、という点がここに表れています。
エージェントベストの見解
政策金融機関を検討している方に、開示の違いを整理してお伝えしています。日本政策投資銀行は非上場ですが、金融商品取引法第24条第1項にもとづき有価証券報告書を提出しているため、平均年間給与11,840千円・平均年齢36.8歳・平均勤続年数13.1年が上場企業と同じ様式で読めます。一方、同じく政府が全株式を持つ国際協力銀行には有価証券報告書がなく、情報公開制度にもとづく「役職員の報酬・給与等について」で公表されています。そちらは事務・技術職員428人の年間給与額(平均)が8,725千円、平均年齢38.2歳。単純比較はできませんが、開示の経路も水準も違います。政策金融という括りで一緒にせず、応募先ごとに一次情報の在りかを確認してください。数字の出どころが分かっていると、面接で「調べてきた」ことが自然に伝わります。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
当行の平均年間給与は11,840千円で、対前事業年度増減率は4.3%の増加です。従業員数1,324人(嘱託及び臨時従業員124人は外数)、平均年齢36.8歳、平均勤続年数13.1年。2026年3月31日現在の数値です。
注記も重要です。従業員数は執行役員10人を含み、代表取締役3人および常務執行役員14人(うち取締役兼務者5人)を含んでいません。平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与は、海外の現地採用者と他社から当行への出向者を含まずに算出されています。平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。
報酬の構成は基本給、賞与等とされ、従業員の報酬は職務内容・業務実績等を勘案して決定すると記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
男性労働者の育児休業取得率は71.0%です。残業時間は開示されていません。
従業員組合は日本政策投資銀行職員組合と称し、組合員数(出向者を含む)は1,144人。労使間においては特記すべき事項はないと記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
平均年齢36.8歳から平均勤続年数13.1年を差し引くと、入社時の年齢は約23.7歳になります。新卒入社が中心の構成といえます。
連結の従業員数は1,955人(嘱託及び臨時従業員174人は外数)で、内訳は当行業務1,324人、その他業務631人です。当行のほかにグループ会社があり、主要連結会社としてDBJデジタルソリューションズ株式会社と株式会社日本経済研究所が挙げられています。
連結従業員数は5期で1,809人から1,955人へ増えました。当行単体も1,257人から1,324人へ増えています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は18.8%です。労働者の男女の賃金の額の差異は全労働者55.3%、正規雇用労働者56.6%、パート・有期労働者52.7%と記載されています。
差異の理由について有価証券報告書は、賃金は性別に関係なく同一の基準を適用しており、差異は等級・勤続年数等の差異によるものと説明しています。あわせて、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の向上と、それを通じた賃金差異の縮小に努めると記載されています。
主要連結会社の女性管理職比率も開示されており、DBJデジタルソリューションズ株式会社が17.4%(2026年3月公表)、株式会社日本経済研究所が48.0%(2026年5月公表)です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
1人あたりの資産規模が示すもの
規模の感覚をつかんでおきます。
当行の総資産額21,038,493百万円を従業員数1,324人で割ると、単純計算で1人あたり約159億円になります。貸出金残高14,721,611百万円で見ても1人あたり約111億円です。
市中の商業銀行と比べて、1人が向き合う金額の桁が違います。理由は業務の性質にあります。預金残高の欄が5期とも空欄であることが示すとおり、個人向けの預金を集めて小口の貸出を積み上げる構造ではありません。
第18期の連結経常収益501,728百万円を連結従業員数1,955人で割ると、1人あたり約2.57億円です。前期は392,086百万円を1,901人で割って約2.06億円でしたから、1年で約1.25倍になっています。
平均年間給与11,840千円という水準は、この事業構造の上に乗っている数字です。平均年齢36.8歳・平均勤続年数13.1年という構成とあわせて読んでください。
向いている人/向いていない人
向いている人
案件の金額が大きい仕事に向く方
当行の総資産額は21,038,493百万円、貸出金残高は14,721,611百万円です。従業員1,324人で担っています。
長期で在籍する前提でキャリアを考えたい方
平均勤続年数は13.1年、平均年齢は36.8歳です。差し引くと入社時は約23.7歳で、新卒入社が中心の構成といえます。
投融資の両方に関わりたい方
貸出金残高14,721,611百万円に加え、有価証券残高が3,654,896百万円あります。融資だけの構成ではありません。
向いていない人
成果に応じて報酬が短期間で大きく動く環境を求める方
報酬の構成は基本給、賞与等とされ、職務内容・業務実績等を勘案して決定すると記載されています。平均年間給与の対前事業年度増減率は4.3%です。
女性管理職の比率が高い環境を重視する方
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は18.8%です。労働者の男女の賃金の額の差異は全労働者で55.3%と記載されています。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われやすいのは、「民間の金融機関ではなく、なぜここか」です。理念だけで答えると弱くなります。数字で整理してください。当行の総資産額は21兆384億円、貸出金残高は14兆7,216億円で、これを従業員1,324人が担っています。1人あたり約159億円です。預金残高の欄は5期とも空欄で、個人から預金を集める構造ではありません。つまり「多くの案件を回して数字を作る」働き方ではなく、金額が大きく期間の長い案件に少人数で向き合う仕事になります。準備としてお伝えしているのは、前職で担当した案件のうち、期間が長く関係者が多かったものを1つ選び、そこで自分が何を判断したかを説明できるようにすることです。あわせて第18期に連結経常利益が113,380百万円から202,495百万円へ78.6%伸びた背景に触れられると、決算を読んできたことが伝わります。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
株式会社日本政策投資銀行は株式会社日本政策投資銀行法にもとづく法人で、非上場です。ただし金融商品取引法第24条第1項にもとづき有価証券報告書を提出しているため、業績と待遇を一次情報で確認できます。
本店は東京都千代田区大手町一丁目9番6号、資本金は1,000,424百万円、決算期は3月です。
連結従業員数1,955人のうち当行業務が1,324人、その他業務が631人です。グループにはDBJデジタルソリューションズ株式会社、株式会社日本経済研究所等があり、求人がどの法人のものかで条件が変わります。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ金融か」と「なぜ日本政策投資銀行か」の2段で組み立てます。
前者については、融資、投資、アドバイザリーのどこに関わりたいのかを具体化します。
後者の材料は有価証券報告書にあります。第18期の連結経常収益が501,728百万円で前期比28.0%増、連結経常利益が202,495百万円で同78.6%増となったこと。当行の総資産額21,038,493百万円に対し貸出金残高14,721,611百万円、有価証券残高3,654,896百万円という構成であること。預金残高の欄が5期とも空欄であること。従業員1,324人で総資産21兆円を担い、1人あたり約159億円になること。平均勤続年数が13.1年であること。
「預金を集めない金融機関である」という構造に触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
金融機関の中途採用では、担当した案件と、そこで自分が動かした数値が読まれます。
融資・与信の経験がある方は、担当した案件の金額規模と業種、審査でどの論点を詰めたかを書きます。
プロジェクトファイナンス・ストラクチャードファイナンスの経験がある方は、案件のスキーム、関与した期間、関係者の数と自分の担当範囲を書きます。
投資業務の経験がある方は、担当した案件の金額と対象、投資判断から出口までのどこを担ったかを書きます。有価証券残高3,654,896百万円を持つ会社です。
アドバイザリー・コンサルティングの経験がある方は、担当した業種と論点、提言が実行まで進んだかどうかを書きます。グループには株式会社日本経済研究所があります。
リスク管理・コーポレート部門の経験がある方は、担当した機能と、社内の意思決定にどう関わったかを書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
日本政策投資銀行は株式会社日本政策投資銀行法にもとづく非上場の政策金融機関で、金融商品取引法第24条第1項にもとづき有価証券報告書を提出しています。第18期(2026年3月期)の連結経常収益は501,728百万円(前期比28.0%増)、連結経常利益202,495百万円(同78.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益149,619百万円、連結総資産額21,372,723百万円、連結従業員数1,955人です。当行単体では経常収益463,809百万円、経常利益197,894百万円、当期純利益143,811百万円、総資産額21,038,493百万円、貸出金残高14,721,611百万円、有価証券残高3,654,896百万円、自己資本比率20.02%。当行の従業員数は1,324人、平均年齢36.8歳、平均勤続年数13.1年、平均年間給与11,840千円(対前事業年度4.3%増)です。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は18.8%、男性労働者の育児休業取得率は71.0%です。
よくある質問
Q. 日本政策投資銀行の年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第18期(2026年3月期)によると、当行の平均年間給与は11,840千円です。従業員数1,324人(嘱託及び臨時従業員124人は外数)、平均年齢36.8歳、平均勤続年数13.1年、対前事業年度増減率は4.3%の増加で、賞与および基準外賃金を含みます。なお従業員数は執行役員10人を含み、代表取締役3人および常務執行役員14人は含みません。平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与は、海外の現地採用者と他社から当行への出向者を含まずに算出されています。報酬の構成は基本給、賞与等で、職務内容・業務実績等を勘案して決定すると記載されています。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 上場していないのに、なぜ有価証券報告書があるのですか。
A. 株式会社日本政策投資銀行は金融商品取引法第24条第1項にもとづき有価証券報告書を提出しているためです。有価証券報告書の「株式の保有状況」欄には、当行は非上場会社であるため記載すべき事項はない、と明記されています。上場していないことと、有価証券報告書を提出することは別の話です。このため業績・従業員数・平均年間給与・多様性指標などを、上場企業と同じ様式で確認できます。なお同じく政府が株式を保有する国際協力銀行は有価証券報告書を提出しておらず、情報公開制度にもとづく「役職員の報酬・給与等について」で給与が公表されています。
Q. どんな事業を行っているのですか。
A. 有価証券報告書 第18期(2026年3月期)によると、当行の総資産額は21,038,493百万円、貸出金残高は14,721,611百万円、有価証券残高は3,654,896百万円です。預金残高の欄は5期とも記載がなく、個人から預金を集める構造ではないことが分かります。連結従業員数1,955人の内訳は当行業務1,324人、その他業務631人で、主要連結会社としてDBJデジタルソリューションズ株式会社と株式会社日本経済研究所が挙げられています。沿革では、1951年4月の日本開発銀行設立、1999年10月の日本政策投資銀行設立を経て、2008年10月1日に株式会社日本政策投資銀行法にもとづき現在の株式会社が設立されたと記載されています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。