楽天モバイルの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
楽天モバイル株式会社は非上場のため、自社では有価証券報告書を出していません。ただし親会社である楽天グループの有価証券報告書に「モバイル」セグメントがあり、売上収益と損益が開示されています。2025年12月期のセグメント損益は1,618億円の損失。前期の2,089億円の損失から471億円縮みました。この記事では、その数字の読み方を整理します。
モバイルセグメントの損失は471億円縮んだ
楽天グループの有価証券報告書 第29期(2025年12月期)のセグメント情報です。
| セグメント | 2024年12月期 売上収益 | 2025年12月期 売上収益 | 2024年12月期 損益 | 2025年12月期 損益 |
|---|---|---|---|---|
| インターネットサービス | 1,282,087百万円 | 1,369,697百万円 | 85,137百万円 | 88,943百万円 |
| フィンテック | 820,419百万円 | 975,931百万円 | 153,377百万円 | 199,922百万円 |
| モバイル | 440,698百万円 | 482,838百万円 | △208,933百万円 | △161,841百万円 |
| 合計 | 2,543,204百万円 | 2,828,466百万円 | 29,581百万円 | 127,024百万円 |
損益は後述する「モバイルエコシステム貢献」を考慮した後の数値です。
モバイルセグメントの売上収益は440,698百万円から482,838百万円へ、約9.6%増えました。セグメント損益は208,933百万円の損失から161,841百万円の損失へ、47,092百万円縮んでいます。
一方で、減価償却費及び償却費は171,473百万円から187,952百万円へ増えました。3セグメント合計292,917百万円のうち、モバイルが約64.2%を占めます。通信ネットワークへの投資が費用として計上され続けている構成です。
セグメント全体では損益が29,581百万円から127,024百万円へ改善しました。フィンテックが153,377百万円から199,922百万円へ伸びたことと、モバイルの損失が縮んだことが寄与しています。
なお連結ベースでは、売上収益2,496,575百万円、営業利益14,382百万円、税引前当期損失29,550百万円です。Non-GAAP営業利益は7,048百万円から106,277百万円へ改善しています。
「モバイルエコシステム貢献」という独自の指標
セグメント損益を読むうえで、押さえておくべき仕組みがあります。
有価証券報告書には、楽天エコシステム内におけるセグメント間の相互貢献効果が拡大している状況を踏まえ、相互貢献効果及び相互送客効果(モバイルエコシステム貢献)も含めて精緻に業績評価を行えるよう、これをセグメント損益に反映していると記載されています。
計算式も開示されています。
モバイルエコシステム貢献=楽天モバイルMNO契約者の粗利益ベースのアップリフト効果-グループ会社からモバイル事業への送客効果
アップリフト効果は、楽天モバイルMNO契約者が非契約者と比較してグループの各種サービスを利用する傾向が高いことに基づいて算出されます。対象は楽天市場、楽天ブックス、楽天24、楽天ビック、楽天Kobo、楽天ファッション、楽天トラベル、楽天マート、楽天ビューティー、楽天ペイアプリ決済、楽天ペイオンライン決済、楽天Edy、楽天ポイントカード、楽天カード、楽天銀行、楽天証券、楽天生命、楽天損保の18事業です。
実際の金額も開示されています。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| モバイルの損益(貢献考慮前) | △235,353百万円 | △195,863百万円 |
| モバイルエコシステム貢献額 | 26,420百万円 | 34,022百万円 |
| モバイルの損益(貢献考慮後) | △208,933百万円 | △161,841百万円 |
貢献額はインターネットサービスとフィンテックから振り替えられます。2025年12月期はインターネットサービスから14,542百万円、フィンテックから19,480百万円が振り替えられました。
つまりモバイル単体の損失は195,863百万円で、グループ内の貢献を加味して161,841百万円になっている、という構造です。どちらの数字を見るかで印象が変わります。
エージェントベストの見解
楽天モバイルの決算を見るときは、2つの数字があることを知っておいてください。2025年12月期のモバイルセグメント損益は、モバイルエコシステム貢献を考慮する前が1,958億円の損失、考慮した後が1,618億円の損失です。差の340億円は、インターネットサービスとフィンテックから振り替えられた貢献額。楽天モバイルの契約者が楽天市場や楽天カードをより多く使う、という効果を数値化してモバイル側に付け替えています。この指標自体は考え方として理解できますし、計算式も対象18事業も開示されています。ただし転職の判断材料としては、素の1,958億円のほうも見ておくべきです。事業単体でどれだけ稼げていないかが分かるからです。同時に、損失が前期の2,353億円(考慮前)から1,958億円へ縮んでいることも事実。改善の方向にはある、という前提で応募先を検討してください。
開示された数値から読み取れること
以下は、楽天グループの有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
楽天モバイル株式会社の平均年間給与は公開されていません。非上場で自社の有価証券報告書がなく、親会社の有価証券報告書にも子会社ごとの給与に関する記載がないためです。
親会社である楽天グループ株式会社の提出会社ベースでは、従業員数9,989名、平均年齢36.0歳、平均勤続年数6.3年、平均年間給与8,508,495円と開示されています。ただしこの9,989名のうちモバイルセグメントに区分されるのは40名にすぎません。楽天モバイルの水準を示すものではありません。
待遇は選考の過程でご確認ください。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
楽天モバイル株式会社の残業時間や育児休業取得率は開示されていません。
親会社の有価証券報告書には連結子会社ごとの多様性指標が記載されていますが、その一覧に楽天モバイル株式会社の行はありません。楽天グループ株式会社は女性管理職比率33.5%、男性労働者の育児休業等取得率73.3%、労働者の男女の賃金の差異78.0%です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
連結の従業員数はセグメント別に開示されています。
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| インターネットサービス | 9,793名 |
| 全社(共通) | 9,076名 |
| フィンテック | 6,217名 |
| モバイル | 4,333名 |
| 合計 | 29,419名 |
2025年12月31日現在です。モバイルは4,333名で、連結29,419名の約14.7%にあたります。全社(共通)は特定のセグメントに区分できない開発部門、管理部門及びシェアードサービス事業に属する従業員数と注記されています。
有価証券報告書には、モバイルセグメントが通信サービス及び通信技術の提供、電力供給サービスの運営並びにモバイルセグメントに関連する投資等を行う事業により構成されていると記載されています。通信だけでなく電力供給サービスも含まれます。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
労働組合については、楽天グループ株式会社に労働組合は結成されていないが、連結子会社の一部に結成されていること、労使関係は良好で特記すべき事項はないことが記載されています。
グループ会社の多様性指標には差があります。楽天グループ株式会社の女性管理職比率33.5%に対し、楽天シンフォニー株式会社は9.1%、楽天損害保険株式会社は9.8%です。会社によって構成が異なります。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
提出会社9,989名のうちモバイルは40名
人員配置には注意が必要です。
| 区分 | インターネットサービス | フィンテック | モバイル | 全社(共通) | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 連結 | 9,793名 | 6,217名 | 4,333名 | 9,076名 | 29,419名 |
| 提出会社 | 5,259名 | 1名 | 40名 | 4,689名 | 9,989名 |
2025年12月31日現在です。
提出会社である楽天グループ株式会社にモバイルセグメントとして所属するのは40名だけです。連結のモバイル4,333名との差4,293名は、楽天モバイル株式会社をはじめとする子会社に所属していることになります。
したがって、楽天グループ株式会社の平均年間給与8,508,495円(平均年齢36.0歳、平均勤続年数6.3年)は、モバイル事業に従事する人の水準を示すものではありません。この数値の対象9,989名のうち、モバイルに区分されるのは約0.4%です。
なお全社(共通)が連結9,076名・提出会社4,689名と大きい点も特徴です。特定のセグメントに区分できない開発部門、管理部門及びシェアードサービス事業に属する従業員と注記されており、グループ横断の機能がまとまって置かれている構成が読み取れます。
向いている人/向いていない人
向いている人
改善局面の事業に関わりたい方
モバイルセグメントの損益は208,933百万円の損失から161,841百万円の損失へ、47,092百万円縮みました。売上収益も440,698百万円から482,838百万円へ約9.6%増えています。
通信インフラの構築・運用に関わりたい方
モバイルセグメントは通信サービス及び通信技術の提供、電力供給サービスの運営等で構成されます。減価償却費及び償却費は187,952百万円で、3セグメント合計の約64.2%を占めます。
グループ横断のサービス連携に関心がある方
モバイルエコシステム貢献の対象は楽天市場、楽天カード、楽天銀行など18事業にわたります。契約者のグループ内での行動が指標化されています。
向いていない人
黒字の事業で腰を据えたい方
モバイルセグメントは2025年12月期も161,841百万円(貢献考慮前は195,863百万円)の損失です。
入社前に平均年収を数字で確認したい方
楽天モバイル株式会社の平均年間給与は公開されていません。親会社の提出会社ベースの数値は、モバイルに区分される従業員が40名にとどまるため参考になりません。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われやすいのは、「赤字の事業で何をするつもりか」です。ここで精神論を語ると弱くなります。数字で組み立ててください。モバイルセグメントの売上収益は440,698百万円から482,838百万円へ約9.6%増え、損益は貢献考慮前で235,353百万円の損失から195,863百万円の損失へ39,490百万円縮みました。一方で減価償却費及び償却費は171,473百万円から187,952百万円へ増えており、3セグメント合計の約64.2%を占めます。つまり、収益は伸びているが投資の負担も重い局面です。準備としてお伝えしているのは、自分が「収益を伸ばす側」で効くのか「コストを下げる側」で効くのかを1つ選んで話すこと。ネットワークの効率化なのか、契約者の獲得なのか、解約の抑止なのか、グループ内の送客なのか。領域を選ばずに「事業成長に貢献したい」と言うと、どの面接官にも刺さりません。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
楽天モバイル株式会社は非上場で、自社の有価証券報告書はありません。読める一次情報は、親会社である楽天グループ株式会社の有価証券報告書のモバイルセグメントです。
親会社の決算期は12月です。3月決算の会社と業績を比較するときは対象期間を揃えてください。
連結のモバイルセグメントには4,333名が所属しますが、提出会社(楽天グループ株式会社)に区分されるのは40名です。求人がどの法人のものかを確認してください。
平均年間給与は公開されていません。等級と評価の仕組みは選考の過程で確認することになります。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ通信か」と「なぜ楽天モバイルか」の2段で組み立てます。
前者については、ネットワークの構築・運用、サービス企画、契約者獲得、法人向け、電力供給サービスのどこに関わりたいのかを具体化します。
後者の材料は有価証券報告書にあります。モバイルセグメントの売上収益が440,698百万円から482,838百万円へ約9.6%増えたこと。セグメント損益が208,933百万円の損失から161,841百万円の損失へ47,092百万円縮んだこと。減価償却費及び償却費が187,952百万円で3セグメント合計の約64.2%を占めること。モバイルエコシステム貢献という独自指標があり、2025年12月期は34,022百万円がインターネットサービスとフィンテックから振り替えられたこと。連結のモバイル従業員が4,333名であること。
「エコシステム貢献を考慮する前後で数字が違う」ことを理解していると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
通信事業者の中途採用では、担当した領域と、そこで動かした数値が読まれます。
ネットワーク設計・構築の経験がある方は、担当した設備の規模と方式、エリア展開や品質改善でどこを担ったかを書きます。減価償却費が大きい領域です。
運用・保守の経験がある方は、担当した設備の規模と稼働要件、障害対応や自動化でどこを改善したかを書きます。
サービス企画・プロダクトの経験がある方は、担当したサービスの契約者規模と、獲得や解約の指標をどれだけ動かしたかを書きます。
法人営業の経験がある方は、担当した業種と顧客規模、受注金額と契約回線数を書きます。
データ分析・マーケティングの経験がある方は、扱ったデータの規模と、獲得単価や継続率をどう改善したかを書きます。モバイルエコシステム貢献のような指標設計に近い経験があれば具体的に書いてください。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
楽天モバイル株式会社は非上場のため自社では有価証券報告書を提出していませんが、親会社である楽天グループ株式会社の有価証券報告書 第29期(2025年12月期)に「モバイル」セグメントとして開示されています。同セグメントの売上収益は482,838百万円(前期440,698百万円)、セグメント損益は161,841百万円の損失(同208,933百万円の損失)で、損失は47,092百万円縮みました。ただしこの損益はモバイルエコシステム貢献34,022百万円を考慮した後の数値で、考慮前は195,863百万円の損失です。減価償却費及び償却費は187,952百万円で、3セグメント合計の約64.2%を占めます。連結従業員29,419名のうちモバイルは4,333名、提出会社9,989名のうちモバイルに区分されるのは40名です。連結ベースでは売上収益2,496,575百万円、営業利益14,382百万円、税引前当期損失29,550百万円。平均年間給与は公開されていません。
よくある質問
Q. 楽天モバイルの年収はどのくらいですか。
A. 楽天モバイル株式会社の平均年間給与は公開されていません。非上場で自社の有価証券報告書がなく、親会社である楽天グループ株式会社の有価証券報告書にも子会社ごとの給与に関する記載がないためです。親会社の提出会社ベースでは従業員9,989名、平均年齢36.0歳、平均勤続年数6.3年、平均年間給与8,508,495円と開示されていますが、この9,989名のうちモバイルセグメントに区分されるのは40名(約0.4%)にすぎず、楽天モバイルの水準を示すものではありません。等級と評価の仕組みを含め、待遇は選考の過程でご確認ください。
Q. 赤字はどのくらい続いているのですか。
A. 親会社の有価証券報告書によると、モバイルセグメントの損益は2024年12月期が208,933百万円の損失、2025年12月期が161,841百万円の損失で、47,092百万円縮みました。ただしこれはモバイルエコシステム貢献を考慮した後の数値です。考慮前では2024年12月期235,353百万円の損失、2025年12月期195,863百万円の損失となります。一方、売上収益は440,698百万円から482,838百万円へ約9.6%増えています。減価償却費及び償却費は171,473百万円から187,952百万円へ増え、3セグメント合計の約64.2%を占めます。
Q. モバイルエコシステム貢献とは何ですか。
A. 有価証券報告書に定義と計算式が開示されています。楽天エコシステム内におけるセグメント間の相互貢献効果及び相互送客効果を数値化した指標で、「楽天モバイルMNO契約者の粗利益ベースのアップリフト効果-グループ会社からモバイル事業への送客効果」で計算されます。アップリフト効果は、楽天モバイルMNO契約者が非契約者と比較してグループの各種サービスを利用する傾向が高いことに基づいて算出され、対象は楽天市場、楽天カード、楽天銀行、楽天証券など18事業です。2025年12月期の貢献額は34,022百万円で、インターネットサービスから14,542百万円、フィンテックから19,480百万円が振り替えられています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/9 時点の公開情報にもとづいて作成しています。