TDKの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
TDKの有価証券報告書 第130期(2026年3月期)を読むと、提出会社の平均年間給与が9,211,552円、対前事業年度増減比率が10.95%と記載されています。1年で1割上がった計算です。そして珍しいことに、その理由が有報に文章で説明されています。この記事では、その中身と連結の事業構造を整理します。
連結売上高2兆5,048億円、提出会社6,573人
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | TDK株式会社 |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード6762) |
| 連結売上高 | 2,504,820百万円(第130期・IFRS) |
| 税引前利益 | 276,810百万円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 195,663百万円 |
| 資産合計 | 4,415,175百万円 |
| 連結従業員数 | 106,545人 |
| 提出会社の従業員数 | 6,573人 |
| 平均年齢 | 43.0歳 |
| 平均勤続年数 | 16.9年 |
| 平均年間給与 | 9,211,552円(対前事業年度増減比率10.95%) |
数値は有価証券報告書 第130期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。
平均年間給与が1割上がった理由が書かれている
有価証券報告書の従業員の状況には、次の記述があります。
「当社における平均年間給与の増加は、定期昇給およびベースアップに加え、業績の着実な成長を踏まえた賞与水準の見直し等によるものです。また、管理職にも成果に応じた追加的な報酬制度の適用を開始するなど、役割および成果に応じた処遇の強化を進めています。これらの取り組みは、経営戦略の実現に向けて必要となる人財の確保および動機づけを目的とした人的投資の一環であり、人財の自律的な挑戦および価値創造を促進する報酬体系の高度化として位置付けています」
要点は3つです。定期昇給とベースアップ。業績の成長を踏まえた賞与水準の見直し。そして管理職に対する成果連動の追加的な報酬制度の適用開始。
平均年間給与の増減率だけを見て「業績がよかったから」と読むと、3つ目を見落とします。制度そのものが変わっているという情報は、転職を検討する立場にとって重要です。
提出会社のセグメントは5区分
提出会社の従業員6,573人は、事業の種類別セグメントで次のように分かれています。
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| 受動部品 | 2,473人 |
| センサ応用製品 | 585人 |
| 磁気応用製品 | 558人 |
| エナジー応用製品 | 236人 |
| その他 | 226人 |
| 全社(共通) | 2,495人 |
| 合計 | 6,573人 |
受動部品が2,473人で最大、次いで全社(共通)が2,495人です。全社(共通)が提出会社の約38%を占める構成になっています。
なお連結従業員数は106,545人で、提出会社の6,573人は全体の約6%にすぎません。製造の多くは海外の連結子会社が担う構造です。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
第130期の提出会社の平均年間給与は9,211,552円で、対前事業年度増減比率は10.95%です。有報には、定期昇給とベースアップ、賞与水準の見直し、そして管理職への成果連動の追加的な報酬制度の適用開始が理由として記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には労働時間の数値の記載はありません。提出会社の平均勤続年数は16.9年です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
提出会社のセグメントは受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品、エナジー応用製品、その他の5区分です。連結従業員は106,545人で、海外を含むグローバルな事業体制です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
提出会社の平均年齢は43.0歳、平均勤続年数は16.9年です。全社(共通)が2,495人と、提出会社の約38%を占めます。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
平均年間給与が前年比10.95%増という数字は珍しく、しかも理由が有報に書かれています。読むべきは3つ目の記述です。「管理職にも成果に応じた追加的な報酬制度の適用を開始する」。つまり管理職層の報酬に、成果連動の要素が新たに入ったということです。これが待遇の見方をどう変えるか。従来の日本のメーカーでは、管理職になると賞与の変動幅が小さくなり、報酬は職位でほぼ決まる設計が一般的でした。そこに成果連動が加わると、同じ役職でも受け取る額に差がつきます。中途で管理職相当のポジションに入る方にとっては、これは機会でもリスクでもあります。確認すべきは、成果をどの指標で測るのか、その指標に自分の担当領域がどう紐づくのか、そして変動幅はどのくらいかの3点です。平均値が1割上がったという事実より、この制度変更のほうが自分の待遇に直結します。面接で報酬制度の説明を求めてください。有報に書いている以上、説明を受けられるはずです。
5期で売上1.32倍、従業員は約1万人減
連結の推移を並べると、この会社の変化が見えます。
| 回次 | 連結売上高 | 税引前利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 連結従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 第126期(2022年3月期) | 1,902,124百万円 | 172,490百万円 | 131,298百万円 | 116,808人 |
| 第127期(2023年3月期) | 2,180,817百万円 | 167,219百万円 | 114,187百万円 | 102,908人 |
| 第128期(2024年3月期) | 2,103,876百万円 | 179,241百万円 | 124,687百万円 | 101,453人 |
| 第129期(2025年3月期) | 2,204,806百万円 | 237,808百万円 | 167,161百万円 | 105,067人 |
| 第130期(2026年3月期) | 2,504,820百万円 | 276,810百万円 | 195,663百万円 | 106,545人 |
売上高は5期で約1.32倍、税引前利益は約1.6倍になっています。一方で連結従業員数は116,808人から106,545人へ約1万人減りました。第127期に大きく減り、その後は増加に転じています。
資産合計は3,041,653百万円から4,415,175百万円へ、5期で約1.45倍。親会社所有者帰属持分比率は42.8%から49.5%へ上昇しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは178,987百万円から507,672百万円へ、約2.8倍に増えています。
なお2021年10月1日に1株につき3株、2024年10月1日に1株につき5株の株式分割がそれぞれ実施されています。
提出会社は連結の6%という構造
連結従業員106,545人に対し、提出会社は6,573人です。全体の約6%にあたります。
つまりTDK株式会社という法人に所属する人は、グループ全体のごく一部です。残りは国内外の連結子会社に所属しています。電子部品メーカーとして、製造拠点を海外に多く持つ構造の表れです。
提出会社の中でも、全社(共通)が2,495人で約38%を占めます。事業セグメントに紐づく人員は4,078人です。
このことは、応募を検討する際に2つの意味を持ちます。ひとつは、TDK株式会社の求人と、グループ会社の求人では所属する法人が違うということ。もうひとつは、提出会社の平均年間給与9,211,552円は、この6,573人についての数字だということです。
グループ全体の水準を示すものではありません。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、グローバルな製造体制があります。 連結従業員106,545人に対し提出会社は6,573人。海外拠点を含む体制で事業を運営しています。
第二に、報酬制度が変わる局面です。 管理職に対する成果連動の追加的な報酬制度の適用が開始されたと有報に記載されています。
第三に、事業領域が複数あります。 受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品、エナジー応用製品と、製品分野が分かれています。
向いている人/向いていない人
向いている人
電子部品の領域で専門性を積みたい方
受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品、エナジー応用製品という製品分野があります。
成果連動の報酬を望む方
管理職に対する成果に応じた追加的な報酬制度の適用が開始されています。
グローバルな事業に関わりたい方
連結従業員106,545人のうち、提出会社は6,573人です。海外拠点との協業が前提になります。
向いていない人
所属法人を意識せずに応募したい方
連結従業員のうち提出会社は約6%です。TDK株式会社の求人とグループ会社の求人では、所属する法人が異なります。
報酬が職位で固定される環境を望む方
役割および成果に応じた処遇の強化を進めていると有報に明記されています。制度が変わる局面です。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「グローバルの製造体制のなかで何ができるか」です。ここで日本国内の話だけをすると弱くなります。数字を見れば構造は明らかです。連結従業員106,545人のうち、提出会社は6,573人。約94%は日本法人の外にいます。つまりTDK株式会社に所属する人の仕事は、自分の手を動かすことより、世界中の拠点を動かすことに寄ります。準備としてお伝えしているのは、前職で「離れた場所にいる人たちに仕事を回した経験」を1つ用意することです。海外拠点との分業、協力会社への委託、複数拠点にまたがるプロジェクト。いずれも該当します。大事なのは、その際に何で困り、どう解決したかです。時差、言語、品質基準の解釈の違い、報告の粒度。こうした具体的な障害に対する対処を語れる方は、グローバル製造業の選考で信頼されます。逆に、自分が現場で完結させた実績だけを並べると、この構造とは噛み合いません。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募先の法人とセグメントを確かめる
連結従業員106,545人に対し、TDK株式会社(提出会社)の従業員は6,573人です。求人が提出会社のものかグループ会社のものかを確認してください。
提出会社の事業セグメントは受動部品(2,473人)、センサ応用製品(585人)、磁気応用製品(558人)、エナジー応用製品(236人)、その他(226人)、全社共通(2,495人)です。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ電子部品業界か」と「なぜTDKか」の2段で組み立てます。
前者については、最終製品を作るメーカーと部品を供給するメーカーの違いをどう捉えているかを説明します。顧客が誰かによって、事業の周期も営業の進め方も変わります。
後者の材料は有報にあります。連結売上高2,504,820百万円と5期での推移。税引前利益が5期で約1.6倍になった収益性の改善。営業活動によるキャッシュ・フローが約2.8倍に増えたこと。4つの製品セグメント。そして報酬制度の高度化という方針。
とくに報酬制度に関する記述は、この会社の人材観を示す材料になります。
職務経歴書で見られるポイント
プロジェクトマネジメントや技術系の職種では、判断の記録が読まれます。
製造業出身の方は、原価、品質、納期のいずれかで構造を変えた経験を書きます。
海外拠点との協業経験がある方は、その内容を具体的に書きます。連結の94%が日本法人の外にいる構造では、直接評価される経験です。
システムやITの職種を志望する方は、製造現場のシステムや、複数拠点をまたぐ基盤に関与した経験を書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
TDK株式会社は東証プライム市場に上場する電子部品メーカーで、第130期(2026年3月期)の連結売上高は2,504,820百万円、税引前利益276,810百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益195,663百万円です。連結従業員数は106,545人で、提出会社は6,573人(全体の約6%)。提出会社の平均年齢は43.0歳、平均勤続年数16.9年、平均年間給与9,211,552円で、対前事業年度増減比率は10.95%でした。有価証券報告書には、この増加の理由として定期昇給とベースアップ、業績の成長を踏まえた賞与水準の見直し、そして管理職に対する成果に応じた追加的な報酬制度の適用開始が挙げられています。提出会社のセグメント別人員は受動部品2,473人、センサ応用製品585人、磁気応用製品558人、エナジー応用製品236人、その他226人、全社共通2,495人です。連結の大部分が日本法人の外にあるため、応募先の法人を確認する必要があります。
よくある質問
Q. TDKの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第130期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は9,211,552円で、対前事業年度増減比率は10.95%です。対象は提出会社の従業員6,573人、平均年齢43.0歳、平均勤続年数16.9年。有報には増加の理由として、定期昇給およびベースアップ、業績の着実な成長を踏まえた賞与水準の見直し、管理職に対する成果に応じた追加的な報酬制度の適用開始が記載されています。なおこの数字は連結従業員106,545人のうち約6%にあたる提出会社についてのものです。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. どんな事業をしていますか。
A. 有価証券報告書の提出会社の従業員は、事業の種類別セグメントで受動部品2,473人、センサ応用製品585人、磁気応用製品558人、エナジー応用製品236人、その他226人、全社共通2,495人に分かれています。連結売上高は2,504,820百万円(第130期)で、5期前の1,902,124百万円から約1.32倍になっています。連結従業員数は106,545人で、製造の多くは国内外の連結子会社が担う構造です。
Q. 業績は伸びていますか。
A. 有価証券報告書の5期分の推移では、連結売上高が1,902,124百万円(第126期)から2,504,820百万円(第130期)へ約1.32倍、税引前利益が172,490百万円から276,810百万円へ約1.6倍になっています。営業活動によるキャッシュ・フローも178,987百万円から507,672百万円へ約2.8倍に増加。親会社所有者帰属持分比率は42.8%から49.5%へ上昇しています。一方で連結従業員数は116,808人から106,545人へ減っており、第127期に大きく減った後は増加に転じています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。