SMBC日興証券の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

SMBC日興証券 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/5

SMBC日興証券は、金融商品取引法第46条の4にもとづく「業務及び財産の状況に関する説明書」を公表しています。2026年3月期の版には、使用人8,781名、人件費1,313億80百万円、そしてM&Aに係る手数料294億97百万円といった数字が並びます。国内大手証券のなかでも、報酬と収益構造の両方を読める会社です。この記事では、その中身を整理します。

使用人8,781名、純営業収益3,859億円

項目内容
商号SMBC日興証券株式会社
資本金135,000百万円
発行済株式総数200,002株
営業収益551,827百万円(2026年3月期)
受入手数料309,911百万円
純営業収益385,971百万円
経常利益77,565百万円
当期純利益88,933百万円
販売費・一般管理費310,434百万円(うち人件費131,380百万円)
使用人の総数8,781名(2026年3月期末)
うち外務員7,921名

数値は同社の「業務及び財産の状況に関する説明書(2025年4月1日~2026年3月31日)」によります。縦覧開始日は2026年8月1日です。

M&Aに係る手数料が3期で約1.8倍

説明書の「業務の状況を示す指標」には、受入手数料の内訳が3期分並びます。

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期
受入手数料219,938百万円261,881百万円309,911百万円
(委託手数料)46,473百万円48,803百万円65,781百万円
(引受け・売出し等の手数料)35,976百万円46,940百万円39,051百万円
(募集・売出し等の取扱手数料)25,777百万円31,426百万円42,986百万円
(その他の受入手数料)111,711百万円134,711百万円162,092百万円
[うち事務代行手数料・ファンドラップ手数料]79,055百万円95,976百万円112,745百万円
[うちM&Aに係る手数料]16,073百万円20,488百万円29,497百万円
[うち保険販売手数料]4,628百万円4,017百万円5,157百万円

M&Aに係る手数料は160億73百万円から294億97百万円へ、2年で約1.8倍になっています。

一方で最も大きいのは事務代行手数料・ファンドラップ手数料の1,127億45百万円です。受入手数料3,099億11百万円の約36%を占めます。

つまりこの会社の収益は、M&Aアドバイザリーよりも資産管理型のビジネスに支えられている構造です。

他社と並べたときの位置

説明書に載るM&A関連の収益を、他の証券会社と並べます。

会社M&A関連の収益直近期使用人
三菱UFJモルガン・スタンレー証券51,354百万円2026年3月期5,860人
SMBC日興証券29,497百万円2026年3月期8,781名
JPモルガン証券14,249百万円2026年3月期780名
ドイツ証券1,378百万円2025年12月期243人
バークレイズ証券271百万円2025年12月期402名

国内大手2社が上位に並びます。使用人1人あたりで見ると、JPモルガン証券は780名で142億49百万円ですから、構造がまったく異なります。

説明書から読み取れる範囲

以下は、説明書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

説明書には、2026年3月期の人件費が131,380百万円(前期128,963百万円)、使用人の総数が8,781名と記載されています。ただし人件費には役員報酬や法定福利費等が含まれるため、平均年収そのものではありません。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

労働時間に関する開示はありません。使用人8,781名のうち外務員が7,921名で、営業機能が組織の大部分を占める構成です。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

受入手数料の内訳には、委託手数料、引受け・売出し等の手数料、募集・売出し等の取扱手数料、事務代行手数料・ファンドラップ手数料、M&Aに係る手数料、保険販売手数料が並びます。担当する領域によって扱う商品が異なります。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

使用人の総数は2024年3月期末8,999名、2025年3月期末8,899名、2026年3月期末8,781名と、緩やかに減っています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

説明書の人件費131,380百万円を使用人8,781名で割ると1人あたり約1,496万円になりますが、この数字をそのまま平均年収として読むのは誤りです。人件費には役員報酬、賞与、法定福利費などが含まれます。それでも他社と並べると位置関係が見えます。ジェフリーズ証券は4,271百万円÷86名で約4,966万円、JPモルガン証券は30,174百万円÷780名で約3,868万円、BNPパリバ証券は11,087百万円÷341名で約3,251万円、シティグループ証券は22,655百万円÷872人で約2,598万円。SMBC日興証券の約1,496万円は、これらの半分以下です。理由は組織の構成にあります。使用人8,781名のうち外務員が7,921名。つまり全国のリテール営業を抱える構造です。外資系は少人数で法人業務に特化しています。同じ「証券会社」でも、人件費の単価が違うのは事業モデルの違いです。応募先を選ぶときは、この構造の違いを理解したうえで比べてください。

資産管理型ビジネスが収益の柱

受入手数料3,099億11百万円の内訳を見ると、この会社の収益構造がはっきり出ます。

最も大きいのは事務代行手数料・ファンドラップ手数料の1,127億45百万円です。2024年3月期の790億55百万円から2年で約1.43倍になっています。

次いで委託手数料657億81百万円、募集・売出し等の取扱手数料429億86百万円、引受け・売出し等の手数料390億51百万円、M&Aに係る手数料294億97百万円、保険販売手数料51億57百万円という順です。

事務代行手数料とファンドラップ手数料は、預かった資産の残高に応じて発生する性質の収益です。取引の都度発生する委託手数料とは、収益の安定性が異なります。

トレーディング損益は442億60百万円で、内訳は株券等13億25百万円、債券等93億01百万円、その他336億33百万円。2024年3月期の599億99百万円から減少しています。

金融収益1,976億55百万円から金融費用1,658億55百万円を差し引いた金融収支は318億円です。

これらを合わせた純営業収益は3,859億71百万円。2024年3月期の3,033億07百万円から2年で約1.27倍になっています。

販管費の内訳が示す組織の姿

説明書には販売費・一般管理費の内訳が記載されています。

項目2025年3月期2026年3月期
取引関係費40,517百万円45,297百万円
人件費128,963百万円131,380百万円
不動産関係費18,479百万円18,573百万円
事務費73,054百万円62,550百万円
減価償却費9,772百万円20,463百万円
租税公課6,526百万円7,463百万円
その他22,841百万円24,707百万円
合計300,156百万円310,434百万円

人件費が131,380百万円で、販管費全体の約42%を占めます。次いで事務費62,550百万円、取引関係費45,297百万円という順です。

減価償却費は9,772百万円から20,463百万円へ約2.1倍に増えています。システム投資が進んだことを示す数字と読めます。

なお経常利益は520億76百万円から775億65百万円へ、当期純利益は767億13百万円から889億33百万円へ増えています。特別利益として投資有価証券売却益471億87百万円が計上されている点は押さえておくべきです。

この環境で積める経験

この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。

第一に、国内案件の量に触れられます。 M&Aに係る手数料294億97百万円は、外資系証券と比べて大きい水準です。

第二に、資産管理型のビジネスがあります。 事務代行手数料・ファンドラップ手数料が1,127億45百万円で、受入手数料の約36%を占めます。

第三に、システム投資が進んでいます。 減価償却費が9,772百万円から20,463百万円へ約2.1倍。基盤の更新が進んでいる局面です。

向いている人/向いていない人

向いている人

国内のM&A案件に多く関わりたい方

M&Aに係る手数料は294億97百万円で、2年で約1.8倍になっています。外資系証券と比べて規模が大きい水準です。

資産管理型のビジネスに関心がある方

事務代行手数料・ファンドラップ手数料が受入手数料の約36%を占めます。取引ごとの手数料とは収益の性質が異なります。

開示された数字で判断したい方

金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書により、使用人数、人件費、受入手数料の内訳、M&Aに係る手数料まで確認できます。

向いていない人

少人数の組織で働きたい方

使用人は8,781名で、うち外務員が7,921名です。全国に営業網を持つ大規模組織であり、独立系ブティックとは組織の性質が異なります。

人件費の単価が高い環境を求める方

人件費131,380百万円を使用人8,781名で割ると約1,496万円です。外資系証券の同じ計算と比べると、水準が異なります。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われるのは、「顧客基盤をどう使うか」という論点です。ここで外資系と同じ答え方をすると噛み合いません。説明書の数字が構造を示しています。使用人8,781名のうち外務員7,921名。事務代行手数料・ファンドラップ手数料1,127億45百万円。この2つが意味するのは、全国に顧客との接点を持っているということです。M&Aに係る手数料294億97百万円という数字も、この基盤の上にあります。オーナー企業の事業承継、上場企業の資本政策、富裕層の資産承継。これらは既存の取引関係から生まれる案件です。準備としてお伝えしているのは、前職で「既存の関係から新しい案件を作った経験」を1つ用意することです。既存顧客への追加提案、社内の他部門からの紹介、長い付き合いのなかで信頼を得て相談されるようになった経緯。こうした話ができる方は、この会社の事業構造と噛み合います。逆に、新規開拓の件数だけで実績を語ると、外資系向けの説明になります。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。

選考に向けた準備

応募する領域を確かめる

受入手数料の内訳から、事業領域が複数あることが分かります。委託手数料(株式の売買仲介)、引受け・売出し等の手数料(引受業務)、募集・売出し等の取扱手数料(投資信託等の販売)、事務代行手数料・ファンドラップ手数料(資産管理)、M&Aに係る手数料(アドバイザリー)、保険販売手数料。

同じ会社でも、担当する領域によって仕事の中身がまったく異なります。応募前に確認してください。

募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜ証券会社か」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。

前者については、助言だけでなく引受けやトレーディング、資産管理を持つ総合証券の構造をどう評価するかを説明します。FASや独立系アドバイザリーとの違いを整理しておく必要があります。

後者の材料は説明書にあります。M&Aに係る手数料294億97百万円と3期の推移。事務代行手数料・ファンドラップ手数料1,127億45百万円という規模。使用人8,781名のうち外務員7,921名という構成。減価償却費が約2.1倍に増えたシステム投資。

とくに資産管理型ビジネスの比重は、他社との違いとして語りやすい材料です。

職務経歴書で見られるポイント

証券会社の中途採用では、担当した領域の実績が読まれます。

証券会社や銀行の出身者は、担当した顧客層と、そこでどう関係を作ったかを書きます。取引額だけでなく、相談される立場になった経緯が読まれます。

M&A領域を志望する方は、案件での役割を具体的に書きます。ソーシングかエグゼキューションか、売り手側か買い手側か、案件規模と業種。

システムやプロジェクトの職種を志望する方は、金融機関のシステムに関与した経験を書きます。減価償却費が約2.1倍に増えている局面です。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

SMBC日興証券株式会社は資本金135,000百万円の証券会社で、2026年3月期の営業収益は551,827百万円、純営業収益385,971百万円、経常利益77,565百万円、当期純利益88,933百万円です。使用人の総数は8,781名で、うち外務員が7,921名。受入手数料309,911百万円の内訳には、事務代行手数料・ファンドラップ手数料112,745百万円、M&Aに係る手数料29,497百万円などが含まれます。M&Aに係る手数料は2024年3月期の16,073百万円から2年で約1.8倍になっており、国内大手証券のなかでは三菱UFJモルガン・スタンレー証券(51,354百万円)に次ぐ規模です。販売費・一般管理費310,434百万円のうち人件費は131,380百万円で、使用人数で割ると約1,496万円。外資系証券と比べて低いのは、全国のリテール営業を抱える事業モデルの違いによるものです。

よくある質問

Q. SMBC日興証券の年収はどのくらいですか。

A. 平均年間給与は公表されていません。ただし金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書に、2026年3月期の人件費131,380百万円と使用人の総数8,781名が記載されています。単純に割ると1人あたり約1,496万円になりますが、人件費には役員報酬や法定福利費等が含まれるため平均年収そのものではありません。また社内の分布は開示されておらず、部門と職位で差があります。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. M&A業務はどのくらいの規模ですか。

A. 2026年3月期のM&Aに係る手数料は29,497百万円です。2024年3月期は16,073百万円、2025年3月期は20,488百万円でしたから、2年で約1.8倍になっています。受入手数料の合計309,911百万円に占める比率は約9.5%です。他社と比べると、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が51,354百万円(2026年3月期)、JPモルガン証券が14,249百万円(同)、ドイツ証券が1,378百万円、バークレイズ証券が271百万円(いずれも2025年12月期)です。

Q. どんな収益で成り立っている会社ですか。

A. 2026年3月期の受入手数料309,911百万円のうち、最も大きいのは事務代行手数料・ファンドラップ手数料の112,745百万円で約36%を占めます。次いで委託手数料65,781百万円、募集・売出し等の取扱手数料42,986百万円、引受け・売出し等の手数料39,051百万円、M&Aに係る手数料29,497百万円、保険販売手数料5,157百万円という構成です。事務代行手数料とファンドラップ手数料は預かり資産の残高に応じて発生する性質の収益で、取引の都度発生する委託手数料とは安定性が異なります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)